ボディピアスジュエリー:シームリング入門

Seam Rings

ミニマルから華やかデザインまで、その特徴を知る

シームリングは、シンプルでミニマルなものから、金属の飾りやジェムを重ねた華やかなデザインまで、幅広いバリエーションがあります。「シームレス」と呼ばれることもありますが、実際にはリングの両端が合わさる部分に継ぎ目(シーム)が存在します。

シームリングの仕組みと向き・不向きを知っておくと、ミニマルな雰囲気が好きな方にも、装飾的なデザインが好きな方にも、自分のピアスに合った使いどころを判断しやすくなります。

シームリングの仕組みと役割

シームリングは、「シームレス」と呼ばれることもありますが、実際にはリングの両端を押し合わせて閉じる継ぎ目があります。ここで言う「シームレス」は、ビーズが見えない見た目を指していて、継ぎ目そのものが消えているわけではありません。

品質のよいシームリングは、その両端が丸くなりすぎず、かといって鋭くもない、なめらかなカットになっています。このリングは、開閉のときに前後ではなく横方向にひねって開け閉めする必要があり、ていねいな扱いが求められます。

シームリングが向いているのは、すでに完治したピアスホールで、ミニマルな見た目を好む場合や、ビーズの付け外しをしたくない場合です。一方で、ピアスホールがまだ新しく、治っていない段階ではおすすめできません。リングが回転すると継ぎ目がピアスホールの中を通過し、その動きが治癒中の組織を刺激してしまうからです。この回転が続くと、デリケートな新しいピアスホールにダメージを与えるおそれがあります。

ミニマル vs デコラティブ

Seam Rings
Hazel Seam Rings
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シームリングには、大きく分けて2つのスタイルがあります。装飾のないミニマルなタイプと、リングの表面に金属の飾りジェムを重ねた華やかなタイプです。

装飾が施されたシームリングには、幾何学的なモチーフ、花のようなデザイン、部分的にジェムを並べたデザインなど、視線を引きつける要素が組み合わされています。それでも、シームレスな印象はそのまま保たれます。

これらの装飾要素はリング本体にしっかり固定されており、取り外して付け替えるタイプではありません。

開け閉めと扱い方のコツ

Locking Seam Rings

シームリングの開閉には、リングを横方向にひねって開け閉めする動きが必要です。これが難しく感じられる場面もあり、とくにゲージが太い場合や直径が小さい場合、素材が硬い場合には、より扱いにくくなります。

何度も頻繁に開け閉めを繰り返すと、リングがゆがんだり、場合によっては破損してしまうこともあります。とくにリングが十分に焼きなまし(熱処理による軟化)されていない場合は、そのリスクが高まります。

太いゲージや硬い金属のシームリングには、専用ツールが役立つ場合もありますが、使い方を誤るとリング本体やピアスホールを傷つけるおそれがあります。手で慎重に開け閉めする分には問題ありません。

装飾的なデザインの場合は、金属装飾やジェムの部分を不用意に挟んだり押しつぶしたりすると傷つきやすいため、とくに注意が必要です。

継ぎ目のズレが起こすトラブル

シームリングでとくに重要なのが、閉じたときの両端の「噛み合わせ」です。端同士がきれいにそろっていないと、継ぎ目のエッジがピアスホール内を通るときに引っかかりやすくなります。

リングが回転するたびに継ぎ目がホール内を通過すると、継続的な刺激が起こります。これが治癒の遅れや、場合によっては瘢痕組織(しこり)の原因になることもあります。

また、継ぎ目には汚れや細菌がたまりやすくなります。ミニマルなデザインでも装飾的なデザインでも、シーム部分は意識的に清潔に保つ必要があります。日々のケアで、継ぎ目の汚れをていねいに洗い流すことが大切です。

シームリングの最適な使い方

シームリングがもっとも活躍するのは、完治したピアスホールで、ミニマルな見た目やビーズのないシームレスなラインを求める場合です。頻繁な着け外しをしない前提で使うのに向いています。

一部の部位では、このシームレスな見た目が特に好まれ、治癒が終わったあとの選択肢としてよく選ばれます。ただし、開閉には慣れが必要で、日々のメンテナンスにも手間がかかります。

シームリングは、ピアスホールが十分に治っていて、適切なケアができる人に適したジュエリーです。ビーズ付きリングよりもすっきりした見た目を好む方や、金属装飾やジェムで華やかさを楽しみたい方が選ぶスタイルです。

自分に合ったシームリングを選ぶポイント

シームリングを選ぶときには、次のポイントを押さえておきましょう。

  • 継ぎ目の噛み合わせが着け心地を左右する
  • 開け閉めにはコツが必要で、場合によっては道具も使う
  • まだ治癒途中のピアスホールには使えない(回転する継ぎ目が治癒中の組織を傷つける可能性がある)
  • 金属装飾やジェムを重ねたデザインは華やかだが、扱い方や注意点はミニマルタイプと同じ

トラブルの多くは、使うタイミングを間違えたときに起こります。まだ治っていないピアスホールに使ったり、短い期間に何度も開け閉めしたりするケースです。治癒が終わる前に使うと、回転する継ぎ目がピアスホールの中を通るたびに、治癒中の組織を傷めてしまいます。

まずはピアスホールが完全に治ってから検討し、「見た目」「扱いやすさ」「メンテナンス」のバランスを考えて選びましょう。

キャプティブビーズリングと比べると、シームリングはメンテナンスの手間がかかるジュエリーです。このことを知っておくと、選ぶときの判断材料になります。

MAYのこだわり

MAYでは、シンプルなミニマルタイプから、リング表面に金属装飾やジェムを重ねた華やかなタイプまで、シームリングの特性を正しく理解しているメーカーとパートナーシップを組んでいます。装飾の有無にかかわらず、開閉時にリングがゆがんだり折れてしまったりしないよう、素材に合わせた適切なアニール(熱処理による軟化)を行っていることも重要なポイントです。

また、シームリングの耐久性や、閉じたときの端のそろい方についても、きちんと検証しているメーカーと協力しています。こうした取り組みによって、ミニマルなタイプでも装飾的なタイプでも、リングの形と継ぎ目の噛み合わせが安定しやすくなり、見た目のこだわりとピアスホールへのやさしさの両方を目指すことができます。

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