ボディピアスジュエリー:バーベル入門

Straight Barbells

バーベル:ストレートからカーブまで

バーベルは、リングでは使いにくい場面でも快適で安定感のあるジュエリーです。ストレート(まっすぐ)やカーブ(緩やかな弧を描く)のバーの両端には、取り外しできるエンドパーツ(装飾エンド)が付いています。リングだと圧迫感や刺激が出やすい場所でも、バーベルなら力が均等に分散されるので、寝るときや服が触れるときも快適に使えます。それぞれのデザインがどんな役割を持つのかを知ることで、自分の体に合った、長く快適に使える一本を選べるようになります。

バーベルの役割

バーベルは、棒状のバーと取り外しできる装飾エンドパーツ(エンド)でできています。エンドは一般的にボール型ですが、ドームやスパイクなど様々な形があります。バーがピアスホールを貫通し、エンドをねじ込んだり差し込んだりして固定することで、抜け落ちを防ぎます。リングのように常に回転しないため、動きが刺激になりやすい部位では、摩擦や細かい傷を抑えやすいのが利点です。

多くの部位ではバーベルがファーストピアスの基本的な選択肢で、リングは回転・反転しやすい性質があるため、治癒後に選ぶことが多くなります。まっすぐな形状は重さを均等に分散するので、寝るときや体にフィットする服を着るときも快適です。

ストレートバーベル

Threadless Straight Barbells

ストレートバーベルにはいくつかのバリエーションがあり、それぞれ特定のピアッシング部位に適した設計になっています。最も一般的なのは標準的なストレートバーベルで、まっすぐなバーの両側に取り外し可能なエンドがついています。これらは組織をまっすぐ貫通するピアッシングに適しており、舌ピアス、ニップル、ブリッジ、そして多くの耳軟骨部位などで使われます。長さは端から端まで測定し、自分の体に快適にフィットする長さを選ぶ必要があります。

ラブレットポストは、片側が平らなディスク、もう片側が装飾パーツを取り付けるための開口部になったストレートバーベルです。平らなディスクが肌に接することで、組織に食い込まない快適なフィット感が得られます。ラブレットポストは、耳、唇、鼻孔などのピアッシングで、片側を肌にぴったり沿わせる必要がある場合によく使われます。

Flat Back Labrets - One piece
Flat Surface Barbell Shafts

サーフェスバーベルは、まっすぐなシャフトの両端が90度に曲がった形状で、肌に沿って平らに収まる設計になっています。このデザインは圧力を最小限に抑え、体の平らな部分のサーフェスピアッシングにおいて排除(リジェクション)のリスクを軽減します。曲がった両端が、標準的なストレートバーベルよりも均等に圧力を分散させます。

カーブバーベル

カーブバーベルは緩やかな弧を描く形状で、体のカーブに沿う部位に適しています。標準的なカーブバーベルは、ルーク、眉、へそ、各種ジェニタルピアスなどで快適に使用でき、体の自然な曲線に沿った弧が動きに追従し、装着感を向上させます。この形状により、まっすぐなバーベルでは圧迫感が出やすい部位でも、組織に無理なくフィットします。

Threadless Curved Bar Post
gold flower navel curves 0019 1

Jカーブバーベルは、文字「J」のような形状で、標準的なカーブバーベルよりも角度が大きくなっています。特にルークピアス向けに設計されており、耳の複雑な形状に合わせやすいのが特徴です。見た目の好みで選ぶ人もいれば、自分の耳の形状に合わせるために必要とする人もいます。

ナベルカーブは、前面に固定された装飾的なエンド(ジェムや凝ったデザインなど)が特徴のカーブバーベルです。装飾エンドが外側を向き、反対側は様々なパーツを取り付けられる開口部になっています。主にナベル(へそ)ピアス用に設計されていますが、装飾性を高めたい他のカーブ部位のピアスにも応用できます。

Navel Cluster

サーキュラーバーベル

Circular Bar Post

サーキュラーバーベルは円の約3/4を描く馬蹄形のデザインで、両端にそれぞれエンドが付いています。それぞれのエンドを個別に取り外せるため、キャプティブビーズリングよりも洗浄やジュエリーの付け替えが簡単です。大きめのサイズのサーキュラーバーベルは、必要なときに外しやすい点でリングより便利な場合があります。

サーキュラーバーベルは「ホースシュー」と呼ばれることもありますが、厳密には異なります。U字型がホースシュー、なめらかな円弧を描くのがサーキュラーバーベルです。セプタムピアスでサーキュラーバーベルを使う場合、両端の間隔を調整することでリテイナーのように使うこともできますが、鼻のサイズによって制約があります。

circular barbells 3

取り付け方式(スレッディング)

バーベルのエンドの取り付け方式は3種類です(初出のみ括弧で英語表記を併記)。

  • 内ネジ式(インターナリースレデッド):バー内部にネジ山があり、エンド側をねじ込みます。挿入時にネジ山がピアスホールに触れにくく、刺激を抑えて交換もしやすいのが利点です。
Threaded Internaly Style

  • 外ネジ式(エクスターナリースレデッド):バー側にネジ山があり、エンドを外側からねじ込みます。挿入時にネジ山が組織に引っかかりやすく、不快感や損傷につながる恐れがあります。
Threaded Externaly Style

  • プッシュピン(スレッドレス):エンドのピンをバーに差し込み、テンションで保持します。ネジ山がないためエンド交換が容易で、保持力はピンの調整で最適化できます。多くの人が、定期的なジュエリー交換にはプッシュピンが最も便利だと感じています。
Pushpin Style

プロのピアッサーは、安全性と快適さの観点から、内ネジ式またはプッシュピンを強く推奨します。

失敗しない選び方

選定時の要点は次のとおりです。

  • 長さが解剖学に無理なく合っていること(短すぎるとエンドが組織を押し込みやすい)
  • 取り付け方式は快適さと交換の容易さに直結(基本は内ネジ式/プッシュピン)
  • エンドのサイズが解剖学と装着感に適合していること

現場では、短すぎるバーベルによる圧迫や、外ネジ式採用時の挿入時のひっかかりが刺激の原因としてよく見られます。自分の解剖学に適切な長さを選び、可能な限り内ネジ式またはプッシュピンを優先しましょう。

MAYのこだわり

MAYでは、内ネジ式とプッシュピンのバーベルだけを取り扱っています。ネジ山がピアスホールに直接触れない設計にこだわることで、より安全で快適にジュエリーを交換できます。正確な長さと適切な取り付け方式を選ぶことが、高品質なボディジュエリーの基本です。

また、精度の高いネジ加工やピンシステムに投資しているメーカーと協力し、エンドをしっかり固定しながらも、交換したいときに簡単に外せる品質を提供しています。こうした品質へのこだわりが、長く快適に使い続けられるジュエリー体験につながります。

サーキュラーバーベル
ぺアカットナベルカーブ

次回は、拡張用ジュエリーの「アイレット」を取り上げます。中空チューブの仕組みと、どんな場面で最適な選択になるかを解説します。