ボディピアスジュエリー:クリッカー入門

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カチッと閉まる、つけ外ししやすいヒンジデザイン

クリッカーリング(通称クリッカー)は、取り外し式のビーズや繋ぎ目(シーム)を使わず、ヒンジ式の留め具で作られたリングです。カチッと音を立ててしっかり閉まり、従来のリングよりも開閉が簡単です。しくみを知っておくと、キャプティブビーズリングやシームリングに代わる現代的な選択肢としてイメージしやすくなります。

クリッカーリングの特徴

クリッカーリングは、ビーズや繋ぎ目のないヒンジ構造のリングです。留め具を閉じると「カチッ (click)」と音がすることから、この名前がついています。キャプティブビーズリングのように外れるパーツがなく、シームリングのようにねじったり力をかけて開閉する必要もありません。

ピアスホールが完全に治癒していれば、ビーズや繋ぎ目を気にせず気軽に付け替えられます。ただし、スペースが狭い部位や小さいリングでは、開け閉めが難しい場合もあります。リングやピアスホールに負担をかけないよう、専用ツールで優しく開閉することもあります。正しく閉まっていれば、日常の動きでは開きにくい構造です。

ヒンジ式クラスプの仕組み

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クリッカーリングの核となるのが、ヒンジ式の留め具です。突起のついた先端を反対側の溝に差し込むと、カチッとはまってリングが閉じます。ビーズや繋ぎ目を使わずに、しっかりとした固定感を実現できる仕組みです。

ビーズの膨らみが気になる方や、華奢なフープピアスのような見た目が好きな方に向いています。ヒンジ構造でサイズを細かく調整でき、ビーズがない分コンパクトにまとめられます。一体型なので、ビーズを失くす心配もありません。

ただし、シームリングと同様に、ヒンジや留め具がピアスホール内を回転すると摩擦や引っかかりが生じます。治癒中のホールでは、繊細な組織に機械的なパーツが触れてダメージを与え、治癒を遅らせる原因になります。クリッカーリングは、完全に治癒したピアスホールでのみ使用してください。

クリッカーリングのつけ外し

クリッカーリングを装着するときは、突起のついた側の先端をピアスホールの入り口にそっと差し込み、ゆっくりと通していきます。先端が反対側から少し顔を出したら、リングの輪を軽く閉じるように寄せ、溝の部分に向かって押し込みます。「カチッ」と音がしてはまれば、きちんとロックされたサインです。

外すときは、突起のついた側の先端を溝からていねいに持ち上げ、留め具から外します。両端が離れたら、ホールの中に入っている部分をゆっくりと引き抜きます。キャプティブビーズリングのようにリングの張力でビーズを外す必要もなく、シームリングのようにねじりながら合わせ目を開く必要もないため、多くの人にとっては比較的イメージしやすい動きです。

とはいえ、ゲージが細いものや、スペースが限られた部位では、留め具まわりの操作に少しコツが必要になることもあります。ヒンジは、開け閉めを何度もくり返しても変形しにくいように設計されていますが、長く安心して使うには、もともとの作りの良さがとても大切です。

ストレートポスト vs カーブポスト

Indio Hinge Ring
Anatometal Gold Clickers News

クリッカーリングのポスト(ホールを通る部分)には、ストレートタイプとカーブタイプの2種類があります。ストレートポストは耳たぶなど多くの部位で使いやすい形です。一方、ダイスやルークなど耳の内側のカーブに沿う部位では、カーブポストが適しています。

ヒンジ式クラスプの仕組みはポストの形に関係なく同じなので、ポストの形状を変えるだけで、さまざまなピアスホールに対応できます。

クリッカーのおすすめシーン

クリッカーリングは、ピアスホールが完全に治癒してから使うのが最適です。日常的に付け替えを楽しみたいときや、ミニマルな見た目を好む方に選ばれています。ヒンジ式の設計により着脱がしやすく、特に耳のピアスで人気があります。

シームリングのような継ぎ目の目立たないフープの見た目を実現しながら、装着やメンテナンスの手間は軽くなります。また、キャプティブビーズリングと違い、ビーズが外れる心配がなく、一体型構造ならではの安心感があります。

自分に合ったクリッカーリングを選ぶには

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クリッカーリングを選ぶときは、次のポイントをチェックしましょう。

  • シームリングよりも開け閉めしやすいヒンジデザインか
  • ビーズなどのパーツを失くしにくい一体型構造か
  • 完全に治癒したピアスホール専用であること(ヒンジがホール内で回転すると、治癒中の組織を傷つける可能性があります)
  • ポストの形が、自分のピアスホールの位置やカーブに合っているか
  • スペースが限られた部位では、開け閉めにツールが必要になる場合があること

ヒンジ部分は、頻繁に開け閉めすると少しずつ負荷がかかります。長く安心して使うには、素材・仕上げ・設計にこだわった製品を選ぶことが大切です。クリッカーリングは、ピアスホールが完全に治ってから使うことで、摩擦やダメージによるトラブルを避けられます。

MAYのこだわり

MAYは、クリッカーリングに求められる条件を深く理解しているメーカーとパートナーシップを組んでいます。ヒンジがなめらかに開閉し、繰り返しの使用でも変形しにくいこと。カチッと確実に閉まり、日常の動きでも外れない安心できるクラスプであること。こうした基準を満たすクリッカーリングだけを取り扱っています。

私たちがクリッカーリングを提案するのは、「気軽な付け替え」と「ピアスホールの安全性」のどちらか一方ではなく、その両方を大切にできるリングデザインの進化形だと考えているからです。

MAYのパートナーは、ヒンジやクラスプの耐久性テストを行い、角の処理や表面の仕上げまでていねいに整えています。こうした作り込みによって、クリッカーリング本来の機能性と安心感が長く保たれます。日々の付け外しを楽しみながら、ピアスホールの健康を守りやすい状態を目指しています。


次回は、ネジ式とスレッドレス(プッシュピン)タイプのバーやパーツに注目します。内ネジ式・外ネジ式・スレッドレス(プッシュピン)タイプなど、接続方法の違いがジュエリーの使い心地や安全性にどう影響するのかを、仕組みとあわせて整理してご紹介します。