ボディジュエリーの素材:シリコン編

完治したホールに適した柔軟性と着け心地
シリコンは軽量でしなやかな素材で、体のカーブに沿いやすく、長時間の装着でも負担が少ないのが特長です。医療用(インプラントグレード)のシリコンは金属にアレルギーが出やすい方やアクティブなライフスタイルを送る方にとっても、使い心地の良い選択肢です。シリコンは完全に治ったピアスホールでのみ使用できます。正しい使用とケアを理解すれば快適に楽しめる優秀な素材です。
シリコンの特性

医療用のシリコンは、インプラントに適した品質で生体適合性を備え、長時間の皮膚接触を前提に設計されています。硬い素材に比べて体に沿ってフィットし、装着感が軽いのが特徴です。ニッケルなどの一般的なアレルゲンを含まないため、金属に敏感な方にも選ばれています。プロのピアッサーは、金属アレルギーの方や特定の活動目的がある方など、状況に応じてシリコン素材を提案する場合もあります。
医療グレードの品質を見分けるポイント
高品質なシリコンジュエリーは、生体適合性基準を満たす医療用(インプラントグレード)シリコンを使用しています。信頼できる製品は、顔料を表面に色付けするのではなく、素材全体に均一に混ぜ込んで着色します。これにより、色移りやにじみが起きにくく、色が永久的に定着します。シリコンは多孔質ではありませんが、長く触れていた物質の成分が微量に残留する場合があります。そのため、ふだんはやさしく洗い、強い薬剤の使用は避けてください。
完治したホールのみに使用するのが安全
パリレンコートされていないシリコンジュエリーは、開けたてのピアスや拡張用途には絶対に使用しないでください。未治癒の組織に用いると、通気や排出をふさいで治癒を妨げ、痛みや傷の原因になります。シリコンの柔軟性は治癒後には利点ですが、治癒途中では問題を引き起こすことがあります。プロのピアッサーがこの制限を強調するのは、きつく装着するとシリコンがべたついて、治癒中の組織に貼りつき、合併症を招くおそれがあるためです。シリコンジュエリーを検討する前に、ピアスホールが完全に治っていることを必ず確認してください。
ケアと取り扱いについて
完治後に使用
未治癒の組織では、密着によって通気や排出が妨げられ、治癒を遅らせる可能性があります。きつく装着しすぎると、シリコン素材がべたつきやすくなり、まだ完全に治っていない組織に貼りついてしまうことがあります。
準備と洗浄
初めて使用する前は石けんで洗浄し、十分にすすいで乾燥します。必要に応じてオートクレーブでの滅菌も可能です。
挿入のコツ
ビタミンE、ホホバ、ココナッツなどの肌になじむオイルを薄く塗り、シリコンを半分に折って挿入し、手を離せば元の形に戻って固定されます。
避けたいもの
マダサイド(消毒洗浄液)やケミクレーブ(滅菌消毒器機) など強い薬剤は不適切。ラテックス手袋の成分移行にも注意し、気になる方は非ラテックス手袋を使用してください。
実際の使用時のに注意すること
シリコンジュエリーの主な注意点は、表面に外部の粒子が付着しやすいことです。花粉やペットの毛、その他の刺激物が環境から装着面に集まることがあります。これらは素材内部ではなく表面に付着する刺激物であり、装着前に確実に洗い流すことが重要です。
中性石けんとぬるま湯でしっかり洗い、適切な潤滑油を使うことで、刺激やアレルギー反応のリスクを減らせます。シリコンは微量の物質を残す性質があるため、安全に使用するには丁寧な洗浄が大切です。
シリコンが適している場面
シリコンは睡眠中やスポーツ時など、柔軟性と軽さが求められる場面で真価を発揮します。金属製ジュエリーでは不快感を感じる方にも最適です。軟骨ピアスなど敏感な部位では、シリコン製アイレットが心地よく装着できます。
また、大きめのゲージのジュエリーでも軽量なため、長時間つけていても負担になりません。金属製だと重く感じたり不快になったりするケースでも、シリコン製なら快適に使用できます。
選び方の基本
- 品質を確認:医療用(インプラントグレード)シリコンであることや生体適合性が明記されているかチェックしましょう。
- 使用タイミング:必ず「完全に治ったピアス穴」だけに使用してください。パリレンコーティングされていないシリコンでの拡張は避けましょう。
- ライフスタイルとの相性:普段の生活習慣や装着する部位、お手入れが続けられるかを考慮すると、長く快適に使えます。
MAYのこだわり

現在、MAYではシリコン製のボディピアスのお取り扱いはございませんが、業界内でお勧めするのがカオスソフトウェア(Kaos Softwear)です。医療用(インプラントグレード)シリコンの先駆ブランドとして知られ、装着時の快適さと生体適合性への配慮で高い評価を得ています。
迷ったら、お近くのプロのピアッサーにご相談ください。部位や生活に合う選び方を一緒に確認できます。
次回は木材、石、骨などのオーガニック素材の魅力と特性に迫ります。お楽しみに!