輝きと安全性を両立するアノダイズ加工とは?

blog anodization 1

ボディピアスに使われるチタンやニオブのジュエリーは、鮮やかな色合いがとても印象的ですよね。

実はこの色はペンキやメッキではなく、「アノダイズ加工(陽極酸化処理)」と呼ばれる電気化学的な技術によって生み出されています。

この仕組みを知ると、ジュエリーの美しい色の裏側にある科学や、安全性の理由が見えてきます。

光を操る仕組み

blog anodization 4 2

アノダイズ加工は、金属の表面に自然にできる酸化皮膜を電気の力で厚くする技術です。色を塗っているのではなく、皮膜の厚さを変えることで光の反射が変わり、干渉によって色が現れます。

水面に浮かんだ油膜が虹色に見えるのと同じ原理です。

皮膜が薄いとブロンズやゴールド系、厚くなるにつれてブルー、パープル、グリーンへと変化します。つまり、この色は金属そのものが生み出すもので、コーティングのように剥がれたり欠けたりすることはありません。

電圧と色の関係

アノダイズ加工では、かける電圧によって酸化皮膜の厚さを調整し、色をコントロールします。

blog anodization 3 1
  • 約15〜20V … ブロンズ
  • 約25〜35V … ブルー
  • 約40〜50V … パープル
  • 約80〜100V … グリーンやティール

このように電圧と色が直結しているのは、光の干渉という物理的な性質によるものです。

ただし仕組み上、鮮やかな赤や黒は出せません。黒いニオブジュエリーは、アノダイズではなく高温処理によって皮膜を極端に厚くし、光を吸収させることで実現しています。

Blog anodization 2 1

安全性と耐久性

アノダイズ加工の魅力は美しさだけではありません。

顕微鏡レベルで金属表面を洗浄するため、通常では取り除けない不純物まで除去でき、より滑らかで体に優しい仕上がりになります。この処理は医療用インプラントの表面処理基準である「ASTM-F86規格」にも適合しています。

さらに、生成される酸化皮膜(チタンは酸化チタン、ニオブは酸化ニオブ)は無毒で、生体適合性にも優れています。ペンキやメッキのように剥がれたり有害物質が溶け出す心配もありません。色は長持ちしますが、摩擦や体液、洗浄剤などで少しずつ変化することがあります。これは安全性には影響せず、あくまで見た目の違いにすぎません。

また、新しいピアスでは治癒過程で体液との反応により色が変わることもありますが、自然な現象です。

ジュエリーを選ぶときのヒント

アノダイズ加工ジュエリーの品質は、次の3つで決まります。

  1. 電圧をどれだけ正確にコントロールできるか
  2. 表面処理がどれだけ丁寧に行われているか
  3. 素材の特性をどれだけ理解しているか

この3つが揃って初めて、美しい色合いと長く安心して使える仕上がりが生まれます。

質の高いアノダイズ加工は、見た目の鮮やかさだけでなく、生体適合性をさらに高めるという点でも優れています。

MAYの取り組み

MAYでは、安全性と美しさを兼ね備えたアノダイズ加工ジュエリーのみを取り扱っています。

熟練の技術を持ち、精密な工程管理を行うメーカーとだけ提携し、メッキやコーティング製品は扱っていません。

アノダイズ加工は金属そのものが生み出す色だからこそ、欠けたり剥がれたりせず、持続的な美しさを楽しめます。


次回は、ボディピアスジュエリーに使われる金属の基礎知識をご紹介します。
なぜ特定の金属が選ばれているのか、その理由を一緒に見ていきましょう。